私は平成最後に実施された第50回社会保険労務士試験に合格しました。
そのときに実践していたことをご紹介します。
ちなみに私は合格までに試験を7回受けています。
その間、選択式の労一だけが1点足りないという狂気のような状態を3年連続で経験しています…
それでもあきらめずに受験した末に、合格をつかみました。そのため、私にとって社労士試験は思い入れが深い試験なのです。
特に複数回受験をされていらっしゃる方に、何かヒントになることがあれば幸いです。
やりかたは十人十色ですので、これが正しいとかそういうものではなく、あくまでも「私の場合はこうでしたよ~」という感じのお話です。
「目がすべる」とは?
摸試や本試験を受験したことがある方は、試験を受けて帰ったあと、択一式の問題を見直しているときに、こんな経験はありませんでしたか?
「え!?こんな問題、あったっけ? 読んだ覚えがないけど… なんか〇✖はついてる…?」
「あー! この問題、論点を見逃してた!! 読み返したらふつうに解けるやつだった…」
いかがですか?
もしかしたら心当たりがあるのでは?
試験中に、問題文や語句が目に映っているはずなのに、ちゃんと認識できていないという現象がおきるのです。
これを「目がすべる」といいます。
社労士試験の択一式は3時間半におよぶ長丁場の試験です。
しかも、午前の選択式ですでに消耗しているうえでのスタートです。
これが大事な大事な試験だと気を張り詰めていても、いや、だからこそ、知らず知らずに集中が途切れているというのは、ありえる話なんです。
「目がすべる」のを防止するには?
この現象は私も何度も経験していて、主に択一式でおこるのですが、選択式の選択肢の語句で目がすべってしまったこともあります。
ちゃんと読めば解けるはずの問題が解けなかった…というのは、非常にもったいない!!
せっかくこの一年間、人によっては数年間、磨き上げてこられたその実力は、本試験で十分に発揮したいですよね。
そこで、私が実践していた「目がすべらない」ためのポイントを3つに絞って書きます。
1. 目がすべることを認識しておく
突然ですが、ドラえもんのひみつ道具に「石ころぼうし」というものがあります。
こんなかんじ☟の帽子です
この帽子を被った人は、他人からは見えているけど見えなくなります。
ドラえもんいわく
「透明人間になるわけではないけど、道ばたの石ころのように誰からも気にされなくなる」
という状態になるのです。
意識を向けていないものが認識の領域から外れることをこんなにわかりやすく説明するとは!
ドラえもん、もとい、藤子F先生は天才すぎます。
目で対象を見てその光の情報が入ってくることと、脳がそれを処理して認識することとは、別物なんですよね。
道端に何があるのかなんて、普段は特に気にも留めずに歩いているから、見えているけど見えていないんです。ところが、意識して道端に目をやると、けっこういろいろなものが落ちているのが目についたりします。
人間は、視界に入るすべての情報に注意を向けるとその処理が膨大になってしまうため、不要と思われる情報はあえて認識しないようです。
そして脳が疲れていたりよけいな負荷がかかっていたりすると、その認識できる分量が普段よりもさらに小さくなってしまうんです。
「目がすべる」のも、見えているけど見えていない状態です。
「目がすべるという現象が起こる」ことを理解し、「文章を読むときに意識してつぶさに見ることが必要」ということをあらかじめ自分に言い聞かせておく。
これだけでもだいぶ変わります。
では、意識して文章を見るにはどうするの?というのが二つ目のポイントです。
2. 問題文に書き入れをする
これが今回一番お伝えしたいことです。
問題文に下線をひいたり、重要語句にマークをつけたりしながら読むことです。
下線を引きがら読むのというのがどんなことなのか、文章で説明するよりも実物を見たほうが早いですので、私が受けたときの本試験の問題用紙をお見せしますね。
(字がきたなくて恥ずかしいのですが…)
☟こちらです
問題文にうっすら下線が引いてあるのが見えますでしょうか?
あと、語句をところどころ〇で囲んであります。
人間は、細いもので指し示したところに注意がいきます。
書類や機械をチェックするときや家の戸締りのときなんかも、指差しをして「ヨシッ」と言うとしっかり確認できますよね。
問題文を読むときも、文章を鉛筆でなぞっていけば、読み逃すことはないだろうと考えて実践していました。
これは、引いた下線そのものよりも、鉛筆で指し示して視線を誘導していくことに効果があるようです。
私は問題を解くのが比較的早いほうだったので、これでペースが落ちて時間に追われるという事はありませんでした。(人によると思います。)
単語を〇で囲むのも、どこが論点なのかということを考えながら集中して読むために効果がありました。
囲むことはあくまでも集中するための補助なので、厳密にそこが論点かどうかというよりも「大事っぽいところはとりあえず囲っていく」くらいのノリで大丈夫でした。
あと、下線や〇囲みとは別に、間違い論点に✖,正しい論点に〇をつけていますね。
これは、この部分が間違いだから、この選択肢は誤りだという判断を脳に伝えるためのものです。
文章を読めば間違いだとわかるんですけど、手も動かしてしるしをつけて、判断の根拠を脳にわかりやすく伝えているんです。
脳に負担がかかり続けると目がすべりやすくなるので、首から下も手伝うことで、脳の負担を減らしてあげているんです。
それと、左上のBという解答に〇がついているのは、確証をもって答えが出せたという意味です。見直しをしなくていい問題です。
選択肢の左側に記してある正誤判断の〇✖は、今回の設問ではきれいに判断ができていますが、実際にははっきりと判断ができないケースもあって、そのときは〇✖とはちがう段階的な符号を書くこともありました。
では、三つ目にいきます。
3. 基本を大事にする
大トリにくるのはこれです。
私の恩師である、大原のカリスマ講師、金沢先生が常々おっしゃっていることです。
これについては私が書くよりも、金沢先生ご自身のツイートを貼らせていただきますね。
端的でわかりやすいですね。
社労士試験において「基本が大事」というのは、本当にホントでした!
教材を社労士24にして基本知識をしっかり固めていった年に、最もいい点が取れました。
これだけでひとつの記事が書けそうなくらいです。そのうち別記事で書きます。
まとめと参考資料
社労士試験において「目がすべる」現象についてお話ししてきました。
私が実践したことは次の3つでした。
- 目がすべることを認識しておく
- 問題文への書き入れをする
- 基本を大事にする
もし、この記事をお読みになって「自分も取り入れてみたいな」と思った方は、必ず事前に練習をしてみてくださいね。本試験で普段と違うことをいきなりやると、かえって調子がくるうことになりかねませんので。
役立ちそうな資料のリンクを貼っておきます。
- 前年度の過去問
- 大原の時間の達人ブログ(大原生でなくても閲覧できます!)
過去問を一部分だけでもいいので印刷して、下線を引きながら読んでみたり、過去問解説のマーカー部分を参考に重要語句や正誤判断にしるしをつけてみると、いい練習になります。
余談ですが、予備校の模試は問題用紙のレイアウトが親切にできていることが多いです。1ページに1問がきれいに納まっていたりとか。
それにひきかえ、本試験の択一式の問題用紙は、5肢の途中で改ページが入るブツ切りレイアウトも余裕でありえます。模試の問題用紙ばかりを見てそれに慣れていると、本番で問題用紙を見たときに違和感を覚えてしまうことがあります。
直前期のうちに一度は本試験の問題用紙を見ておくといいですよ。複数回受験の方でも一年前の感覚は忘れていることがありますからね。
それではこのへんで。
ご覧いただきありがとうございます。
いいことありますように。