「特定社労士、気になってはいるけど情報が少ない…」
そう感じている方、いらっしゃいませんか?

私もそうでした。
前々から興味はあったものの、申し込み方法も学習のすすめ方もいまいちよく分からなかったのです。
2021年度に実際に経験してみると、「より早い段階でこうしておけばもっと楽だったのに!!」ということがぽろぽろ出てきました。
ですので、私自身が感じた「こんな情報があればよかった」ということをブログに書き残しておきます。
今回は、研修や試験対策に使った本についてです。
ご紹介している書籍は記事の更新時点での最新版を掲載するように務めておりますが、購入の際には最新版であるかをご自身でお確かめくださいますようお願いいたします。
研修に必須の本
最新重要判例200
特別研修では、この判例集を持ってきているていで話が進みます。
研修課題を検討するにあたって「参考となる判例は?」「それに関連する判例は?」など、バンバン当てられて聞かれました。
特別研修のテキストが手に入ったら、課題に関連する判例を事前に調べておいたほうがいいですよ。
2022年5月末現在、『第7版』が最新版です。
ポケット六法
これも、持っているていで研修が進みます。
タイトルに「ポケット」と付きますが、実物は辞書のような厚みのある本です…ほんまもんの六法に比べたらはるかに小さいのですけど。
何かと荷物が多くなる特別研修において、この重さはなんぎ…
そう感じる場合は、代替品もあります↓
労働関係法規集
ポケット六法の代わりとして使える本です。
サイズがコンパクト!

先に受けた先輩に教えていただき、私はこちらにしました。
参加者の大半はポケット六法を使っているので、研修の際に講師の先生から「六法の〇〇ページを開けてください」と言われたときに違うページを探すことになります。それでも特に支障はありませんでした。
労働関係法規集は出版数が少ないようで品薄です。
こちらで代用したい方は、販売しているのを見つけたら即ゲットしたほうが良いと思われます。
ポケット六法 or 労働関係法令集については、研修中に「労働契約法」と「民法の法律行為」のページをよく開くので、当該ページにあらかじめ付箋を付けておくといいですよ。

判例集とポケ六(or法規集)の二つは研修に必須ですのでご準備をお忘れなく!!
試験対策本
特定社会保険労務士試験過去問集
最もスタンダードなのはこちらの過去問集。
巻末のCDに第1回目からの過去問と解答例がすべて収録されています。
このため、フリマサイト等で古本を購入する場合は「CDが付いているか」を確認したほうがいいです。
学習初期で過去問をいきなり解こうとしても難しいです。
私の場合、まずは解答例をひたすら書き写す『写経』から初めて、学習が進んできたら自分で解答文を組み立てて書く、というやり方をしました。
また、近年は論点が複雑になっているので(特に倫理)、CDに収録されている昔の問題から先に取り組んだ方が理解が進みやすいです。

なお、この過去問集には「え?この解答でいいの?」と気になる部分もあります。
代表的なのが第15回の第1問の小問(1)の②です。
なぜか社員が会社に対して毎月支払いをする内容になっており、誤植と思われるのですが放置されています。読んでいてかなり戸惑ったので、最新版では修正されていることを願います。
おきらくシリーズ
おきらく社労士こと佐々木昌司先生の『特定社労士受験ノート』。
私は「おきらくシリーズ」と勝手に呼んでいます。
話し口調で、とてもわかりやすく書いてくださっています。

私はこれを読んで理解が進みました!
おきらくシリーズには次の4つがあります。
- 倫理編
- あっせん事件編
- 解答例
- 民法
シリーズが2023年版に更新されました!!
(民法はR2.4版が最新)
【過去問は連合会HPから】
おきらくシリーズにはあっせんの問題の別紙(X・Yの言い分)は掲載されていません。連合会のホームページから過去問を参照しましょう。
紛争解決手続代理業務試験について|全国社会保険労務士会連合会
【冊子版について】
おきらくシリーズは基本的にkindle版なのですが、じつは佐々木先生のブログ経由で冊子版を注文することもできます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
2023年バージョン 特定社労士受験ノート
また、佐々木先生による受験対策セミナーも実施されます。
令和4年東京会場 特定社労士受験対策セミナーのお知らせ
(R5.4.19現在、セミナー情報は未更新です)
社会保険労務士 紛争解決手続代理業務試験超論点整理
kindle本です。
あっせんの問題を解くには、論点となる 『要件等』 を覚えておくことが重要!
代表的なものが『整理解雇の4要素』です。
この本はそのポイントを箇条書きにしてくれていますので、論点の整理ができます。
Kindle Unlimitedに入っていれば0円なので試しにダウンロードしてみたら、けっこうよかったです。
ブログの機能上、「楽天」と「Yahoo」のボタンもついていますが、kindle本ですので「kindle」か「Amazon」のボタンからでないと購入できません。
参考図書
労働法(菅野和夫先生)
言わずと知れた『労働法』
こちらは特別研修の参考図書の一覧にもあげられています。
かなり骨太な本ですので、研修に持参するというよりも、実務家として事務所に備え付けておく本といった感じです。
労務トラブル予防・解決に活かす 菅野労働法
上記の『労働法』をもとに、事例を交えてわかりやすく解説してくださっている本です。
一つのテーマごとに次のような構成になっています。
事例 ⇒ 問題の所在 ⇒ 実務上の留意点 ⇒『労働法』からの引用 ⇒ 『判例』
事例から入ってくれるので、争点がイメージしやすく、読み物として読み進めてくことができます。

ストーリー性のあるもののほうが、頭に入りやすいですよね。
こちらも、前年度に合格された先輩から教えていただいたものです。
研修にも試験対策にも役立ちますし、また、特定を受験するかどうかに関わらず勉強になる本です。私は買ってよかったです。
労働紛争あっせん代理実務マニュアル
特定はそもそも『あっせん』について学ぶので、その実務について書かれている本は参考になります。
じつは、特別研修では『あっせん申請書』や『答弁書』ついての書き方のレクチャーが特に無いまま、見よう見まねで課題を作成しなくてはなりません…
特別研修のグループ研修に向けて読んでおくとためになると思います。
(私はグループ研修の後でこの本を知りました…)
労働事件審理ノート第3版
これは、ゼミナールで講師をされていた弁護士の先生からご紹介いただいた本です。
ブロック図で要件事実を整理して示しています。
事件に法的根拠を当てはめていく手順の勉強になります。
申請書・答弁書のモデルも掲載されていますので、特別研修の課題作成の参考にもよいです。
最新版の発行が2011年と古いのですが、法令というよりも考え方を学ぶ本なので、古くても役に立ちます。
パッと見は、少しとっつきづらい雰囲気です…
社労士・弁護士の労働トラブル解決物語
労務系の業務が未経験で、「労務のトラブルにはどんなものがあるのか?」というイメージがつきにくい方が、早い時期に読み物として読むならこういうのも良いです。2も出てます。
まとめ
特別研修と紛代試験の費用と交通費・宿泊費だけでもなかなかの出費になるのですが、それに加えて研修に持参する本や試験対策本の費用も必要です。
ここに掲載した本を参考にしていただき予算を見込んでおけば、後で想定外の出費に焦らずに済むでしょう。

これらの本がすべて必要というわけではありません。
試験対策で言えば、河野先生の過去問のみで勉強する方もいらっしゃれば、おきらくシリーズのみの方もいらっしゃいます。
また、この2つは同じ問題でも解答例にけっこうな違いがありますので、両方目を通してみるのも、もちろんよいでしょう。
最終的には自分の解答方針を確立しておく必要があります。

迷いがあると解答スピードが鈍ります!
他の記事でも申し上げていますが
試験対策について、特別研修をあてにしていてはなりません!!!
特に、合否を決定するといっても過言ではない『倫理』は、早めに試験対策を始めておいた方がいいです。
ではこのへんで。

いいことありますように