「特定社労士、気になってはいるけど情報が少ない…」
そう感じている方、いらっしゃいませんか?
私もそうでした…
前々から興味はあったものの、申し込み方法も学習のすすめ方もいまいちよく分からなかったのです。
そして、2021年度に実際に経験してみると、「より早い段階でこうしておけばもっと楽だったのに!!」ということがぽろぽろ出てきました。
そこで、私自身が感じた「こんな情報があればよかった」ということをブログに書き残しておきます。
今回は「特定を受験しようと決めてから研修が始まる前までの期間」に意識しておく&やっておくといいことのご紹介です。
研修と試験は別物
前回、「特別研修」と「紛代試験」は別々に申込みが必要という話をしましたが、申込手続きだけでなく内容的にも別物と捉えておいた方がよいです。
もちろん参考になる部分もあるのですが、試験については研修とは別個に対策が必要になると構えておきましょう。
私は中央発信講義を視聴したり、グループ研修に出たりして、それをしっかり復習すれば試験勉強になると期待して10月初旬くらいまで過ごしてしまいました…。
これは大きな間違いです!!
研修では、課題の事例についてグループで熟考を重ねて最適解と思われるものを追求していきます。じっくりやれる時間があるんです。
しかし、試験では瞬発力が重要です。答え方はやや定型的でもいいので、とにかく早く論点を見抜いて思考を整理し、解答を書かないと時間が足りません。
また、研修の課題になった事例が試験にでるわけではないですから、試験対策としては多くの事例に当たっておかなければなりません。
研修の過程で、「これ、なんか違うな」と気付いたのですが、早いタイミングでこのことをわかっていればもっと余裕をもって試験勉強に取り組めたと思います。
試験対策としてはです。特別研修は学びとして、とてもためになるものです!
早い段階でラスボスを確認
資格試験と言えば、まずは過去問の内容把握からですね!
過去問がどこで手に入るかと言いますと、じつは、連合会のWebに紛代試験の過去問がすべて掲載されていて、閲覧可能です!
紛争解決手続代理業務試験について|全国社会保険労務士会連合会
私はこれ、11月になってから気づきました。遅い…
今の時点で見てもちんぷんかんぷんかもしれませんが、ラスボス(本試験問題)がどんなものなのかを早い段階で知っておくと、その後の学習が効率的になります。
解答については、ここには要旨しか載っていないので、具体的な解答を知りたい場合は過去問の解説をしている書籍を購入する必要があります。
(ただし、それらの本も著者の先生による見解であり、模範解答とは言えないのがモヤっとするところ…)
参考図書の収集・読書
労務トラブルに関する本
労働紛争解決の本を読んで、具体的な労務トラブルについて知っておくと、その後の学習に入りやすいです。
特に、労務の実務に携わっていない方はここが重要!
実務経験をお持ちの方でも、普段の業務であまり触らない分野があれば補強しておくといいと思います。
- 不利益取扱の判断基準となる要素はどこか?
- それに関連する法令、判例にはどんなものがあるのか?
これらに着目して読んでおくと、研修にも試験勉強にも役立ちます。
どのみち社労士として学び続けるものですしね!
早い時期から読むとしたら、事例が載っていて、読み物として興味が持てる本がいいですね!
例えばこのような本です
前の年に合格した先輩から教えていただいた本です。菅野和夫先生の『労働法』(緑の本)を元に、事例を交えながら労務トラブルの予防や解決策について記されています。押さえるべきポイントがわかりやすいです。やや厚めの本ですが、字は大きめでやさしいです。
特定はそもそも『あっせん』について学ぶので、その実務について書かれている本も参考になります。研修では、あっせん申請書や答弁書ついて、書き方のレクチャーなど特に無いまま、見よう見まねで課題を作成しなくてはなりません…こういった本で予備知識を入れておくと良いです。
研修の参考図書
また、判例集やポケット六法などの研修に必須になる本もあります!!研修の際にこれらがないと講義についていけません。
必須本については改訂されることもありますので、春以降に新年度版が出版されるかも確認しながら、なるべく早めに揃えておいた方がいいです。
また、過去問集や毎年改訂されない本については古本をフリマサイトで買うという手もあります。
出品数が少ないので早い者勝ちです。
必須本については、こちらの記事でご紹介しています
倫理の学習
時間が取れるようなら、「倫理」について試験対策の勉強を始めておくとよいです。
そもそも「倫理」って?
紛代試験は、「あっせん」と「倫理」に分けられます。
あっせんは、労務トラブルについて、労働者側、使用者側それぞれの主張の根拠となる事実を文章から抜き出して箇条書きにまとめたり、解決を図るにはどうしたらいいのかを答えます。
倫理は、「依頼者から寄せられた依頼について、特定社労士として引き受けていいのかどうか?」ということを答えます。
例えば、労働者側で関わっている事件の相手方である使用者側からも何らかの依頼があったらどうするか?というようなことです。
早い時期から「あっせん」も「倫理」も両方進められるといいのですが、どちらかを優先するなら、倫理の方を先に固めておくと良いと感じました。
理由は2つあります!
「基準点の存在」と「研修時期の遅さ」です。
倫理の基準点
紛代試験は「あっせん:70点」と「倫理:30点」の計100点満点の試験です。
そして、過去の傾向では倫理は10点以上でなければならないという基準が存在します。
例をあげると
・あっせん50点、倫理15点の計65点⇒合格
・あっせん65点、倫理9点の計74点⇒不合格
となるのです。
社労士試験の選択式の悪夢が蘇ります…
ちなみに、総得点の基準は毎年変わり、おおむね50点台後半くらいで推移しています。
研修の時期
倫理は、研修の中では主に「中央発信講義」と「ゼミナール」で学習します。
(私のグループでは、グループ研修の際にもリーダーの先生が倫理に触れてくれました。)
ゼミナールでは弁護士の先生の話を聞くことができて倫理についての理解が深まるのですが…
遅いよ~~!!
そこで聴いたことが問題を解くヒントになることもありますが、基本的には自力で試験対策をしておく必要があります。
倫理については、私は「おきらくシリーズ」の倫理編が勉強しやすかったです。
おきらくシリーズは4月頃に新年度版に改訂されます。
まとめ
- 特別研修は紛代試験の試験対策講座ではない!!!
- 紛代試験の過去問は連合会Webに掲載あり
- 早い時期から何かするなら読み物的な本
- 紛代試験で倫理はめちゃ重要!!!
今回は、「研修に出れば試験対策がなんとかなる」と思っていた自分の失敗をさらしました。これがわかっていただけるだけでも、対策は大きく変わります!マジです!!
ではこのへんで。
いいことありますように