「特定社労士、気になってはいるけど情報が少ない…」
そう感じている方、いらっしゃいませんか?
私もそうでした。
前々から興味はあったものの、申し込み方法も学習のすすめ方もいまいちよく分からなかったのです。
2021年度に実際に経験してみると、「より早い段階でこうしておけばもっと楽だったのに!!」ということがぽろぽろ出てきました。
ですので、私自身が感じた「こんな情報があればよかった」ということをブログに書き残しておきます。
今回は、特別研修のグループ研修とゼミナールについてです。
グループ研修
トータル3日間の日程です。
じつは、会場によって開催日も日程の取り方も違います。
1日ずつ3週に分けて進行する会場もあれば、1日目と2日目が連続している会場もあります。
内容
個別労働関係紛争における『あっせん申請書』および『答弁書』の作成がこの研修のゴールです。
グループの意見を集約したあっせん申請書と答弁書をひとつずつ作成して提出します。
そのために、教材の検討課題と2つの事例について、関連する判例や法令について確認したり、内容について議論したりします。
形式
私の参加した福岡会場ではひとグループ10名で、ロの字型に並べられた机に座って討議しました。
グループ研修の席は自由席です。
初日に座った席がなんとな~く固定席になるので、初日に早めに会場入りできた場合は好みの席を確保しておくといいかもですね。
進行
「グループリーダー」と呼ばれる、現役の特定社会保険労務士の先生がグループごとに1名ついてくれます。
そして、各グループの研修の進行はグループリーダーの先生に任せられているので、グループによって進み方が大きく違います。
これはちょっと意外でした
私のグループでは、このような流れでした。
しかし、別のグループでは1日目の後、2日目の開始時刻までに申請書と答弁書を各自作成してくるように言われた所もあるようです。
1日目終了後にほぼ徹夜で作成したと聞きました…
他にも、受講生の一人が進行役になってグループリーダーの先生はオブザーバー的なポジションになっていたというグループや、受講生ごとの個別の申請書と答弁書は作らずに最初からグループでひとつの申請書と答弁書を作る流れのグループもありました。
提出
作成した課題は、グループ全員の署名入りのかがみを付けて提出します。
福岡会場では、3日目が終わってから提出期限まで半月ほどの猶予がありました。
(福岡会場は開催が一番早かったです。)
めっちゃ頼りになる書記担当が仕上げてくださり、それをグループ代表の方が郵送で提出してくださいました。
研修の開催日が遅い会場では研修3日目に直接提出しなければならなかったという話も聞きました。
提出した課題は研修の後半の過程である『ゼミナール』で使用されます。
ゼミナール
研修の後半の2日間(2日目は午前のみ)は、弁護士の先生の講話になります。
そして2日目の午後に『紛争解決手続代理業務試験』が実施されるというスケジュールです。
内容
グループ研修で学んだことをさらに深く学びます。
労働問題を扱っておられる弁護士の先生が講師をされます。
グループ研修で作成した『あっせん申請書』と『答弁書』は事前に弁護士の先生に渡されていて目を通されているので、その内容についての講評のようなものもあります。
また、『倫理』についての講義もあります。
これは試験に直結する内容なのですが、試験を午後に控えた日の午前中に聴くことになります。
特に真剣に聴いておきましょう!
形式
ゼミナールというと大学のゼミみたいな少人数制のものをイメージしますが、大部屋に50名くらい集りますので教室形式の席の並びになっていました。
席は予め指定されています。
私の会場では同じグループの人が2列ずつにまとまっていました。
ここにきて初めましての人と隣同士…ということはなかったので安心でした。
進行
使用者側の弁護士と労働者側の弁護士のお二人が、日替わりで一人ずつ登壇されます。
弁護士の先生から、実際の経験を踏まえた貴重なお話が聴けます。
また、話を聴くだけではなく、自分の考えを述べることもあります。
ゼミナールと名がつくだけに、参加型の演習を意識されているようです。
講義の節々で先生から指名されて質問されるので、それに答えなければなりません。
ここでは、社労士としてのキャリアや専門分野などは一切考慮されません。容赦なく質問されます!
実際、あっせんの場に立てば「まだ新人で…」とか言えませんもんね!!
弁護士の先生からの質問が怖いと聞いていましたが、実際にはそんなことはありませんでした。質問の内容も、とても勉強になるものでした。
当てられるまではドキドキですけど💦
私のときは課題に対する質問はなかったのですが、課題について「どういう法的判断の見通しをしたのか?」「なぜこの解決方針に至ったのか」という旨をつっこまれることもあるようです。
グループ研修を通して根拠をはっきりさせておかないと答えられません。
ゼミナールでは『法的思考力』が鍛えられます!
気になりそうなことあれこれ
服装
スーツじゃなくても大丈夫です!
初日はみなさん様子見でそこそこカチッとした格好をされており、男性は半数くらいがスーツもしくはジャケット着用でした。
2日目からは、みんな「スーツじゃなくてもええんや」と気づいてきて、カジュアルな感じになっていきました。
女性はオフィスカジュアルのような服装の方が多かったです。
「社労士としてちゃんとした服装で行きたい!」とか「服選びが面倒だからむしろスーツがいい」という考えも、もちろんありです!
ちなみに私はブレザーを羽織っていきました。
ブレザーは、かっちりしすぎず、くだけすぎず、使い勝手がいいですね。社労士の登録をしてから何かと役に立ってくれています。
昼食
参加した福岡会場のことしかわかりませんが、会場の席を使って食べることもできましたし、周辺の店に食べに行くこともできました。
カレー屋さんも牛丼屋さんもコンビニもすぐ近くありましたし、博多駅まで行けば飲食店はたくさんあります。
博多ラーメンおいしかった…
午後の研修に遅刻するとアウトなので、外食される場合は戻りの時間にはくれぐれもご注意ください!!
東京のような大型の会場では、昼休みに外に出ることが少々きびしいかもしれません。
端末
パソコンやタブレットの持ち込みはOKでした。
研修中に自分の考えや他の方の発言で参考になることをがんがん打ち込んでおくと、後で課題を作成するときに役立ちます。
また、グループによっては、宿泊先や会場で課題を作成しないといけないこともありえます!!
そのため、ノートパソコン等を持参しておくと便利です。
研修会場でバッテリーもちが心配な場合、ノートパソコン対応の65Wのモバイルバッテリーを持参するという方法もあります。(パソコンがType-CのPD給電に対応している必要があります。)
これ、停電のときや雷がひどくてノートPCをコンセントにつなげないときなどにも使えます。
テキスト入力と簡易な編集ができればそれでいいので、ノートパソコンの代わりに『タブレットやスマホ+Bluetoothキーボード』という手もあります。
スマホのモバイルバッテリーで充電できる端末であれば、研修会場の電源が使えなくても困らないというメリットがあります。
私はiPadminiとロジクールのBluetoothキーボードを使いました。
こんな感じです。
ちなみにこの写真は、グループ研修3日目の前日に福岡へと移動しながら個人の課題を仕上げているところです。あのときは慣れないことをやるうえに時間が無くて大変でした…
Bluetoothキーボードは研修に向けて買ったのですが、スマホで長文を打つときなど普段使いもできるので、なかなか重宝しています。
あと、折りたたみ式のキーボードで評判がいいのはこちらです。
私はタブレットでの検索やオンラインアプリの使用にあたって、スマホのテザリングを使いました。
会場によってはWi-Fiが使えるところもあるようです!
交流
会場に入るなり、他の参加者との名刺交換が自然と始まります。
勤務先の名刺が使えない場合は、自作の名刺を用意しておいた方がいいです。
名刺がないと浮きます!
また、研修の昼休みにご飯食べに行ったり、研修後に飲みに行ったりという交流もありました。
Twitter(X)のフォロワーさんともお会いできて、プチオフ会みたいな感じも味わえました。
他の先生方や他の県会の情報を知るという意味でもグループ研修は有意義でした。
私はここで知り合った方に仕事をひとつ紹介していただけましたし。
連絡
研修の期間中は、課題の作成について研修外でもグループ内で連絡を取り合う必要が出てきます。
私のグループでは、最初はメーリングリストを作って、のちにLINEグループにしました。
今ならChatWorkもいいかもしれませんね。プラン改定で無料プランで参加できるチャットの制限が無くなりましたし。
だいたい、みなさんが使いやすいものに落ち着きます。
なお、勤務の方で「職場のメアドしかない!」という方は、予めGmail等のフリーメールのアドレスを取得しておくと便利です。
それを名刺の余白か裏にでも書き足しておくとよいです。
「LINEはごく身内だけで使っているから他人にアカウントを伝えるのに抵抗がある」という方は、LINEWORKSのアカウントを作っておくと良いかもしれません。
LINEグループの親にはなれませんが、グループに参加することは可能です。
また、通常のLINEアプリでも「オープンチャット」という機能を使うと、本来のアカウント名とは違う名前でグループに参加できて、グループLINEに近いことができます。
みんなが馴れていないことを提案すると、自分が世話役になってしまうというデメリットもありますけどね…。
私のときはLINEにいまいち不馴れな方が複数名いらっしゃったので、なしくずし的に私が世話役をやりました。まぁ、グループの代表や書記のような役割はやらなかったので、それくらいはやらないとね。
研修に必須の本
『判例集』と『ポケ六』は当たり前に持ってきているていで話が進みます。この二つは必須です!!
最新重要判例200
ポケット六法
労働関係法規集
ポケット六法はこちらで代用できます。こっちの方がコンパクト。ポケット六法を入手済みなら不要です。
ポケット六法 or 労働関係法令集については、研修中に「労働契約法」と「民法の法律行為」のページをよく開くので、当該ページにあらかじめ付箋を付けておくといいですよ。
まとめ
参考に、私が研修に持参したものをまとめておきますね。
□ 受講証
□ 研修スケジュール
□ グループ研修・ゼミナール教材
□ 判例集と法規集(ポケ六の代わり)
□ 筆記用具とノート
□ 付箋
□ 名刺
□ タブレット(パソコン代わり)
□ Bluetoothキーボード(パソコン代わり)
研修スケジュールは、特に宿泊の方は翌日の講義が何時開始だったかわからなくなったときのために現物をもっていくか、スマホに写真を残しておくと安心です。
ちなみに、中央発信講義の教材(ぶ厚いの)は一応持って行きましたが、研修ではけっきょく使いませんでした。重かったのに。
現地で課題の印刷をする場合に備えて、USBメモリを持っていくか、コンビニネットプリントの使い方を確認しておくと便利です。
最後に、他の記事でも申し上げていますが
もちろん研修での学びが試験の役に立つこともあるのですが、基本的には特別研修と紛代試験は別物と考えて、早めに試験対策を始めておいた方がいいです。
ではこのへんで。
いいことありますように
試験対策本のまとめはこちら