年アド3級 インプット 問-37.38

年金アドバイザー

ここでは、年アド3級の技能応用問題を解くための知識についてお伝えしていきます。

言葉の表現は、厳密な正確さよりも、ざっくりとしたわかりやすさを重視しています。初級者の方にも伝わりやすいように書いているため、専門的に勉強している方は少しまどろっこしい部分もあるかもしれません。
基本知識編ではここに載せた論点よりも幅広い範囲の学習が必要になります。 また、社労士やFPを受験される方は、必ずそれぞれの専用のテキストで情報を補完してください。

問-37.38の登場人物はD夫さんとその妻です。

事例として、退職後の再就職を予定しているD夫さんの現在の給与と再就職後に予定されている給与、それに年金の見込み額が提示されます。

そして、『在職老齢年金』や『雇用保険の高齢者向け給付』について問われます。

以前は『高年齢雇用継続基本給付金』について出題されていたのですが、最近は連続で『高年齢求職者給付金』についての出題になっています。

うっちー
うっちー

ポイントはこちらです。

  • 支給停止額の計算に含める年金の種類
  • 支給停止額の計算式の〔×1/2〕
  • 標準賞与額の上限
  • 給付金の要件

在職老齢年金

在職老齢年金とは?

60歳以降に在職(厚生年金保険に加入)しながら受給する老齢厚生年金を在職老齢年金といいます。賃金と年金額に応じて年金額の一部または全部が支給停止される場合があります。

ざっくりと「賃金と年金額」と言いましたが、正確には次の二つの言葉を使います。

  • 賃金 → 総報酬月額相当額
  • 年金 → 基本月額

支給停止額の計算

支給停止額の計算は次の通りです。

支給停止額 = {(基本月額 + 総報酬月額相当額)- 支給停止調整額 } × 1/2

うっちー
うっちー

ざっくり言うと、ひと月あたりにした『年金と賃金』を合算し、そこから調整額を差し引いて、さらに2で割ったものがひと月あたりの年金から支給停止される額です。

計算に使う各パーツの金額の求め方は次の通り☟

【基本月額】
 年金額 × 1/12(年金額を12で割ってひと月分にする)

基本月額から除かれるもの → 経過的加算加給年金額老齢基礎年金

【総報酬月額相当額】
 標準報酬月額 + その月以前1年間の標準賞与額の合計 × 1/12

当月に支払われた賞与も計算に含みます。

例えば、6月時点の支給停止額を計算するときは、去年の7月~今年の6月までに支払われた賞与が計算に含まれます。

1回の賞与が180万円という事例が出題されたことがあるのですが、標準賞与額の上限は1回の支給につき150万円なので、賞与がどんなに高額でも150万円として計算します。

賞与が同じ月に2回以上支給されたときは合算して150万円として計算します。

あと、D夫さんの賞与は6月・12月に支払われることが多いのですが、たまに年1回だけのこともあります。

また、支給される前のタイミングで退職していて、その月の賞与の支給が無いということもあります。

うっちー
うっちー

賞与で引っかけてくることが多いのでご注意ください!

【支給停止調整額】
 48万円
(令和5年度の額

従来は65歳未満と65歳以上で額が違っていたのですが、令和4年4月1日の改正で同じ額を使うことになりました。

うっちー
うっちー

ここまで説明したことを図に当てはめるとこのようになります。

説明やイラストが『賃金・年金』の順だったり『年金・賃金』の順だったりしていますが、深い理由はございませんので、ご了承ください。

すぐやる!ドリル

・総報酬月額相当額には支給停止額を計算する月の(㋑ 前月・当月 )から数えた直近1年間分の標準賞与額を合計して12で割ったものを加える。

・標準賞与額の上限は支給1回につき(㋐   )万円

・基本月額に経過的加算は(㋒ 含まれる・含まれない )

・令和5年度の支給停止調整額は(㋓ )万円

【答え】㋐当月 ㋑150 ㋒含まれない ㋓48

雇用保険の高齢者向け給付

高年齢雇用継続基本給付金

雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金(以下、基本給付金)は、雇用保険の被保険者期間が5年以上あるものが、60歳から65歳に達するまでの間に、60歳到達時の賃金に比べて75%未満に低下した賃金で勤務しているときに支給されます。

うっちー
うっちー

将来的に縮小が予定されている給付金です。

基本給付金を受給すると年金の支給停止があるのですが、給付金の額と年金の支給停止額では、計算のもとになるものが違います。ここが論点になります。

  • 基本給付金 → 賃金をもとに計算
  • 年金の支給停止額 → 標準報酬月額をもとに計算

いきなり!ドリル

・基本給付金は60歳到達時の賃金に比べて(㋐  )%未満に低下した賃金で勤務しているときに支給される。

・60歳以降の賃金が60歳到達時と比べて61%未満に低下した場合の基本給付金は、
(㋑   )×(㋒  )%相当額が支給される。 

・上記の基本給付金を受給すると、年金は在職老齢年金の仕組みによる支給停止に加えて
(㋓   )× (㋔  )%相当額がさらに支給停止される。

・賃金と基本給付金の合計には上限が設けられており、約(㋕  )万円である。

・条件を満たしている場合、基本給付金は(㋖  )歳に達するまで支給される。

【答え】㋐75 ㋑ 賃金 ㋒ 15 ㋓ 標準報酬月額 ㋔ 6 ㋕ 36 ㋖ 65

高年齢求職者給付金

雇用保険の高年齢求職者給付金(以下、高齢給付金)は、65歳以上の年齢で退職した場合に受け取ることができる給付金です。

うっちー
うっちー

一時金で支給されるのが特徴です。

いきなり!ドリル

・高齢給付金を受けるには原則として離職の日以前(㋐  )年間に雇用保険の被保険者期間が通算して(㋑  )ヵ月以上あることが必要である。

・高齢給付金は、離職の日以前の被保険者期間が6ヵ月以上1年未満の場合は基本手当日額の(㋒   )日分、1年以上の場合は(㋓   )日分であり、(㋔   )として支給される。

・受給するための求職の申込は(㋕   )を管轄するハローワークで行う。

・高齢給付金を受給した場合、老齢厚生年金は支給停止(㋖ される ・ されない )
 ⇒老齢厚生年金とは調整なしで両方受給できます!

【答え】㋐ 1 ㋑ 6 ㋒ 30 ㋓ 50 ㋔ 一時金 ㋕ 住所地 ㋖ されない

以上、問37.38のインプットでした。

基本知識編ではここに載せた論点よりも幅広い範囲の学習が必要になります。 また、社労士やFPを受験される方は、必ずそれぞれの専用のテキストで情報を補完してください。

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