
こんにちは! うっちーです
年アド3級の技能・応用編の過去問について、図解もまじえながら話し言葉で解説していきます。ここでは用語等の厳密な正確さよりも、ざっくりとしたわかりやすさを重視しています。



問題の事例の文章は掲載しておりません。公式の問題解説集をご用意ください。
問‐41 障害基礎年金の年金額
F夫さんが障害認定日(原則)に障害等級1級と認定された場合に受給できる障害基礎年金の年金額について、正しいものを選択する問題です。
ポイント
- 2級の障害基礎年金は満額の老齢基礎年金と同額で、1級はその1.25倍
- 障害認定日の翌月時点で、子の要件に該当する子が何名いるか?
障害基礎年金の計算問題は、毎回、障害等級1級で出題されています。
計算式が選択肢になっている場合と、計算結果が選択肢になっている場合があります。



2024年10月試験は計算結果でした。
障害基礎年金の年金額
障害基礎年金の年金額 | |||
---|---|---|---|
1級 | 1,020,000円 | + 子の加算 | |
2級 | 816,000円 | + 子の加算 |
問題は1級と認定された場合なので、1,020,000円ですね。
2級×1.25倍を覚えておけば、他の問題の事例から老齢基礎年金の満額を拾ってきて、その場で1級の額を求めることができます。
816,000円×1.25
=1,020,000円
子の加算
子の加算は2人目までが同じ額で、3人目以降から額が変わります。
子の人数 | 1人あたりの加算額 |
---|---|
2人まで | 234,000円 |
3人目から | 78,300円 |


障害認定日(原則)
障害認定日は、原則として障害の原因となった病気やけがについての初診日から1年6ヶ月を過ぎた日です。
数えるときは、「初診日の一年後の、さらに半年後」と数えていくとわかりやすいですよ。


【初診日】 救急搬送されたR5.4.10
【認定日】1年後はR6.4.10
さらに6ヵ月後はR6.10.10
支給はその翌月のR6.11分から
認定日の翌月における子の人数
令和6年4月時点で『子の要件』にあてはまる子が何名いるのかということが問題のカギです。
F夫さんには3人の子がいます。
障害のある子はいません。



例年3名のうち誰かが障害のある子なのですが、新しいパターンです。


この問題で注目するのは、一番上の子である長女です。
長女が子の要件から外れる時期を確認しましょう。
- 長女が18歳になるのはH19.3+18年 = H37.3(R7.3)
- その年度末はR7.3.31
- 障害認定日の翌月であるR6.11(最初の年金が発生する月)において長女は18歳到達後の年度末を経過していないので、子として数える。
子の加算は3人分で計算します。
1,020,000円+234,000円×2人+78,300円
=1,567,900円
選択肢(1)が正しい
子の加算は2級と同額です。
1級だからと言って1.25倍にはなりませんのでご注意ください!
問‐42 障害給付
F夫さんが障害等級2級と認定された場合の障害給付等について正しいものを選択する問題です。
ポイント
- 子の加算がなくなる時期(下の子が子でなくなる時期)
- 厚生年金の期間が300ヵ月未満なら300ヵ月みなし
- 配偶者加給年金額が老齢とちがう
選択肢(1)
(1)障害認定日はすでに数えましたね。令和6年10月10日で正しいです。
選択肢(1)は正しい
選択肢(2)
「子の加算額はなくなる」というのは、「全ての子が子の要件からはずれて、子がいない状態になる」ことを意味しています。
この問題は毎回出題されますので、しっかり慣れておきましょう!
大事なのが子の年齢要件
今回の事例では3人とも健常者ですので、次男が18歳に達する年度の年度末を過ぎると子の加算額がなくなります。
- 次男が18歳になるのはH24.10+18年 = H42.10(R12.10)
- その年度末はR13.3.31
- 令和13年3月末が終了すると、すべての子が要件からはずれるので、子の加算額は加算されなくなる。
選択肢(2)は正しい
選択肢(3)
要件を満たせば1級または2級の障害厚生年金に配偶者加給額が加算されます。
加算額は234,800円です。(令和6年度価格)
選択肢(3)は正しい
選択肢(4)
厚生年金保険の被保険者になったからといって、それだけをもって障害厚生年金が支給停止されることはありません。
例えば、人工透析をしながら仕事を続けておられるような方の障害厚生年金について、厚生年金保険の被保険者だからといって支給停止になることはありません。
ただし、障害年金には更新がある場合があります。そして、就労の実態が更新の際の審査に影響することはありえます。(3級の試験の論点にはなっていないので、今のところはここまで深く考える必要はないです。)
選択肢(4)は誤り
選択肢(5)
障害厚生年金は、厚生年金保険の被保険者期間が300ヵ月未満なら300ヵ月みなしで計算します。
そして、被保険者期間が300月を超えているなら実際の月数で計算します。
事例より、障害厚生年金の計算にかかる被保険者期間は平成10年4月~令和6年3月。
R6+30→H36
(36×12+3)ー(10×12+4)+1
=312ヵ月
実期間が300ヵ月より多いので、300ヵ月みなしではなく実期間の月数で計算します。
選択肢(5)は正しい
まとめ
障害年金の問題を解くカギになっているのが『子の要件』です。
問-41は障害認定日の翌月に上の子が子の要件に該当するかどうかがポイントです。
障害年金の実務でも、子の人数は大事です。特に障害認定日から数年経過した後で遡りで請求する場合に、障害認定日時点で子に該当する子がいたかどうかの判断が必要になります。
子の年齢について、問題用紙の余白に書きながら確認しましょう!!
以上、問‐41.42の解説でした。
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