年金アドバイザー3級試験についてご紹介します!
記事の後半には試験対策のおすすめの書籍もまとめています!
過去問解説はこちらからどうぞ☟
年アド3級試験とは
試験の概要
年アドは『銀行業務検定試験』の一環として実施される試験です。
本来は、金融機関の渉外係・窓口係が顧客からの年金の相談に応じることのできる知識や応用力についてレベルを判定するものです。
しかし、この試験は、金融機関の人でないと受けられないというわけではありません。
むしろ私は、より多くの方に受けていただきたい試験だと考えています。
この試験は年金の基本知識をまるっと学べる良質な内容になっているからです。
試験に向けて学習することで、頭の中に年金知識についての見出しができあがります。すると、年金についてわからない事があっても、市販の書籍などを読んで、ある程度自分で調べることができるようになるんです。
また、毎年届く『ねんきん定期便』についても、何が書いてあるのか理解できるようになります。
なんか届いているけど開けてみても意味が分からない…という方が多いんですよね。
それが解読できるようになるんです。
解読って暗号か!って感じですけど、じっさい年金の用語は暗号みたいに見えますよね…
ちなみに、年アド試験では、支給される年金額の計算式など、具体的な部分まで掘り下げて学ぶことができます。
「年金がいくらもらえるのか?」
それは、『ねんきん定期便』や『ねんきんネット』などで調べることができますので、個人が手計算する必要性はありません。
しかし、計算の仕組みを理解しておくことで、年金をより身近に感じることができるようになりますよ。
試験のレベル
4級→3級→2級となっており、1級は存在しません。
3級は、3月と10月の実施。
4級と2級は、3月のみ実施されます。
4級はちょっとマイナーなので情報が少なく、どうせなら3級にチャレンジしたほうがよいと思われます。また、2級は筆記試験になり、問題数が少ないです。
「年金を広く体系的に学ぶ」という点では3級がもっともバランスのいい内容になっています。
銀行業務検定はどれも難易度が比較的高いので、年アド3級は「3級」と言っても、他の資格試験における2級レベルの難易度があると思ったほうがいいです。
3級と思って、なめてかかるとけっこう難しいです!!
体感的にFP2級の年金の分野と同程度くらい。FP2級が4択なのに対して年アド3級は5択なので、年アド3級のほうが難しく感じるかもしれません。
ちなみに、この試験に1級が無い理由については、2級を難しくしすぎたために1級を作れなくなってしまった…という噂があります。あくまで噂ですけど。
他にも、年金の学習にゴールはないので1級がないといううわさも…
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ペーパー試験とCBT試験
2つの試験方式
試験の方式は2024年1月現在、2通りあります。
それぞれの概要については公式のリンクを貼っておきますね。
- ペーパー試験☟
- CBT試験☟
CBT試験は会場のパソコンで受験する方法です。任意のタイミングで申し込んで、空席さえあれば希望の日程で受験することが可能です(3月,10月の受験日に限りません)。
年アドでは3級と4級がCBTで実施されています。試しに空席状況を見てみたい方は、リンク先の『テストセンター空席照会』から『銀行業務検定』を選んでご覧ください。
試験方式別のメリット・デメリット
ペーパー試験は同じ日程で受ける方がたくさんいるので、SNSなどで同じ目標に向かって情報交換や励ましあいができることや、上位得点者には個人賞としてメダルが付与されることがおもしろいです。
問題の中には図を書いて考えたいものも多いので、紙の問題冊子があることも有利です。
CBT試験は日程について空席さえあれば自由に選べます。
ただ、電卓の持ち込みができず、画面上の電卓を使わないといけません。
どんな問題がでるの?
老齢(いわゆるふつうの年金)だけでなく、障害や遺族の年金についても出題されます。さらに、健康保険や雇用保険、税制などの周辺知識についても問われます。
形式としては
- 基本知識編30問
- 技能応用編20問
が出題されます。
基本知識編は一般的な 五肢択一式 の問題です。
特徴的なのは『技能・応用編』のほうですね。
技能応用編は、問題設定の中に AさんからJさんまで10組の登場人物がでてきて、ひと組あたり2問ずつの出題があります。
それぞれの事例についてアドバイスをしていくという内容です。と言っても記述ではなく、あくまで五肢択一式の問題です。
一例をあげると
・何歳からどんな年金が受け取れるの?
・繰り上げをしたら年金額はどう変わるの?
・退職後の健康保険の手続きはどうするの?
といったような質問に答えていきます。
けっこう細かい知識や計算を組み合わせていくので、社労士試験やFP試験の経験者でも対策無しでいくと玉砕しかねません。
技能応用編はさながら年金知識を使ったパズルです!
一見ややこしいです。
でも、これが解けるようになってくるとけっこう面白くてハマります!
あと、『 基本知識編 』では、試験日時点での最新の法改正はもちろん、今後予定されている法改正事項が出題されることがあります。
令和3年3月試験と10月試験では、令和4年4月の制度改正が出題されました。過去には翌年から始まる所得税の税制改正を先取りで出題したこともあります。
年アドの対策をすることで法改正まで含めた年金知識をブラッシュアップできるという効果があります。
試験対策本
問題解説集
公式の問題解説集☟が販売されています。これをしっかりやっておけば合格点は大丈夫です!!
過去4回分の問題が掲載されています。
独学する場合はこの過去問集が必須になります。
年アドは過去問がネット公開されていません!
解いてみると、毎回おおむね同じような問題で、そこに数問、新しい論点や法改正が入っているのがわかります。
技能応用編については「串刺し」で解くのがおすすめです。「Aさんの問題だけを4回分連続で解く」というような解き方をすると、出題の論点がわかってきます。
また、最初の方のページに「最近の改正法等のポイント」が簡潔にまとめられています。
ここ、めっちゃ重要です!!
問題解説集は、金融機関の方が申込を始めるとあっという間に本屋さんから消えることがあるので、受験を決めたら早めに確保した方がいいですよ。
直前整理70
こちら☟はポイント集です。
過去問集のみで学習すると、たまにしか出題されない論点が押さえきれていない場合があります(社会保障協定など)。
高得点を目指される方は、この本でそういった部分を補強するとよいです。
150ページ程度の薄い本ですが、重要ポイントがしっかりまとまっています。問1,2あたりで出題される統計の数字が数年間分掲載されており、変化がつかめるのもポイント高いです!!
公式テキスト
公式テキスト☟もあります。
テキスト自体は良い内容なのですが、これをみっちり読み込むとやたら時間がかかるので、勉強法としては過去問をぶっつけでやったほうが効率が良いです。
高得点を目指す方、体系的にしっかりと学びたい方にはおすすめです。
ちなみに、公式テキストには犬の公家さんみたいなキャラクターがちょいちょい出てきて、なかなかかわいいです。
Twitter(X)で名前候補に投票していただいたところ、「いぬまろ」が圧倒的人気でした!!
まとめ
- 年アドは年金知識を体系的に学ぶことができる。
- CBTなら申し込みも試験日も任意で選べる。
- 技能・応用編は年金にある程度詳しい方でも対策が必要!
- 法改正をしっかり押さえておく。
- 問題解説集での学習が効率的。
この試験は、社労士試験やFP試験に挑戦している方や合格者でステップアップを考えている方、また、ご自身の教養として年金を学んでおきたい方などなど、多くの方におすすめの試験です。
私は「年金の正しい理解を広めたい!」と考えています。
この試験はFP3級,簿記3級とならんで、義務教育で教えたほうがいいくらいの内容だ!と思っています。
ご興味がある方は、チャレンジをおすすめしますよ!!
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技能応用編で役に立ちまくりのスキルです
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