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うっちー
沖縄県那覇市で開業している社労士です。
「年金の正しい理解を広めたい」をモットーに、安心・納得の年金受給をサポートしています。

【資格】特定社会保険労務士/1級DCプランナー/年金アドバイザー2級/AFP/キャリアコンサルタント/潜水士
※社労士は「公的年金に関する唯一の国家資格者」です。

特別支給を受給したら年金が減らされるんでしょう?【ねんきんの勘違い】

年金には様々な誤解や勘違いがあります。

なかには、そのせいで本来受け取るべき年金を受け取っていないというケースもあります。

うっちー

そんな、よくある「ねんきんの勘違い」シリーズです!

一般の方にもお読みいただきたいと思い、用語の厳密な正確さよりも「ざっくりとしたわかりやすさ」重視で書いています。

まずは、特別支給の老齢厚生年金について。

この年金が受給できる年齢になっても、「請求手続きをしていない」というケースがあります。

原因はいろいろあるのですが、私の肌感として最も目立つのは

「年金が減らされる」

という勘違いです。

どういうことか?

その話をする前に、まずは特別支給について少し説明させていただきます。

目次

特別支給の老齢厚生年金とは?

現在の法律では年金は65歳以降に支給が始まるものですが、生年月日によっては60歳台前半の年齢から厚生年金の支給が始まります

これを『特別支給の老齢厚生年金』と言います。

うっちー

以下、『特別支給』と略します。

時代をさかのぼると、厚生年金はもともとは60歳もしくは55歳から受給が始まるものでした。特別支給は、その頃の名残のようなものです。

特別支給が何なのかについてはこちらで詳しく解説しています。

年金に加入している方に毎年届く『ねんきん定期便』の裏面に書かれている見込額の赤枠で囲んでいる部分が特別支給です。

                        ※赤枠は実際にはありません

特別支給は、生年月日と性別に応じて、受給開始年齢が異なります。

下の図の左側に受給開始年齢がまとめられています。

そして、その定められた年齢から受給を始めるのが本来の形です。

年金の受給ができる年齢になる前に、このようなみどり色の大きな封筒(A4サイズ)が届きます。

この中に年金請求書が入っているので、それを使って特別支給を請求します。

うっちー

通称『みどりの封筒』です!

(共済に加入中の場合はそれぞれの共済組合から年金請求書が発送されますので、封筒のデザインがちがいます。)

特別支給の請求控え

みどりの封筒が届いても、あえて手続きをしない方がいらっしゃいます。

「年金を65歳より前に受給すると減らされる」

と勘違いしているためです。

先ほどのねんきん定期便の見本をご覧ください(見込額のところを拡大)。

見込額をご覧になって、このように考える方がいらっしゃいます。

62歳から受給すると28万円で、65歳から受給すると100万円なのね!

これが、年金を早くから取ると減らされるということね…

100万円もらえたほうがいいから、私は65歳まで取らないでおこう!!

…と勘違いしてしまうのです!

たしかに、年金には『繰上げ』という仕組みがあります。本来の年齢よりも前倒しで受給が始められる代わりに年金額が減るというものです。

「早く取ると減らされる…」という勘違いは、『特別支給』と『繰上げ』とを混同してしまうことから生じています。

うっちー

予備知識がない方がねんきん定期便を見ると、そういうふうに見えても無理はないかもしれません…

しかし、特別支給を決められた年齢から受け取ることは繰上げとは違います。

特別支給を請求したことだけを理由として年金が減らされることはありません

先ほどのねんきん定期便の見込み額は、こういう意味です。

  • 62歳から64歳までの特別支給が年額28万円(これは65歳で終了して無くなる)
  • 65歳以降に始まる年金が合計で年額100万円
うっちー

どちらか片方の欄の金額を選んで受けとるのではありません!!

60歳台前半で『みどりの封筒』が届いたら、特別支給を請求するのが正しいです!

と言うより、請求しなくてはなりません!!

請求控えの問題点

特別支給を請求せずに放置しておくと、問題が発生することがあります。

代表的なものは…

  • 年金は権利が発生してから5年を過ぎてしまうと順次時効消滅する!
  • 配偶者に加給年金額が過払いされてしまい、返納が必要になることがある!
  • 後から遡って受給すると、過去の確定申告の修正が必要になることがある!

ちょっと小難しいですが、要するに「受け取るべき年金を受け取らないと、ややこしいことになってしまいかねない」のです。

うっちー

正しいタイミングで請求しましょう!!

その他の理由による請求控え

「特別支給の請求控え」は他の理由でも起きています。

例えば

「繰下げができなくなると思った」

「仕事をしているから年金は貰えないと思った」

「どうせ少しの額だから手続きが面倒だった」

などです。

うっちー

これらのケースでも、特別支給の請求は必要です!!

まとめ

今回は、「特別支給と繰上げとを混同してしまい、年金が減ると思って請求控えをしてしまう件」についてお話しました。

うっちー

この勘違いは本当に多くて、ひそかに問題なんです!!

年金事務所等で説明を聞いていただければ勘違いは解けるのですが、請求控えをしている人はそもそも相談に行かないので、勘違いしたまま数年過ぎてしまうこともあります

特別支給の対象となるのはこちらに該当する方です。

  •  【男性】昭和36年4月1日以前に生まれた人
  •  【女性】昭和41年4月1日以前に生まれた人
  •   かつ、会社勤めを1年以上したことがある人

支給開始年齢は生年月日によってちがいますので、該当する方の誰もが今すぐに特別支給が始まるわけではありません。みどりの封筒の到着を待ちましょう。

当ブログをお読みいただいたあなたの周りに当てはまる方がいらっしゃる場合は、次のことをぜひ教えてあげてください。

「みどりの封筒が届いたら、年金事務所に連絡を!」

うっちー

きっかけさえあればOK あとはプロが説明します!

年金は制度がややこしいので、さまざまな誤解や勘違いが生じています。

そのせいで損したり面倒なことが起きたりしないように、これからも啓発を続けていきます!

うっちー

『年金の正しい理解を広めたい』それが私の思いです!

ではまた!

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